【投稿】 ウインズロウ・ボーイ 24日に 夫婦して

 

夫婦して京都から上京してまで観にいった甲斐がありました!

新国立という芸術性の高い劇場で、イギリスの劇作家T・ラティガンの舞台劇、おまけにコバさんが主役ですから、いやがおうでも期待は高まるではありませんか。

しかしながら私達は25年ほどイギリスで暮らしており、イギリスの舞台劇も少しは観ておりますので、今回、この難しい内容が日本人スタッフによってどのように表現されるのか、ちょっと辛口で観ていました。それが、いつの間にかここが日本なのかイギリスなのかわからないほどに引き込まれているのにびっくり!。

出演者の皆さんは、それぞれに芸達者な方、勢いのある方がそろっておりましたね。そのなかでも頑固でプライドの高い、いかにもイギリスのジェントルマン階級の父親を演じたコバさんの演技には圧倒されました。翻訳も素晴らしかったのでしょうが、あまりにも台詞回しが見事だったせいか、「あれ今、英語で喋ってた?」と思うほどイギリスの雰囲気が出ていました。時には重く、出口のないような閉塞感を覚え、アーサーに共感できなくなるのに、親子の愛情、夫婦の愛情表現などを通して、また熱く応援したくなるほど、アーサーのことが好きになるのです。それゆえ最後は「勝訴!」という旗を持って走り出したくなるような高揚感を得ることができました。きっといつの間にかいっしょに悩みながらも戦っていたのですね。

 この前に拝見した「恋と音楽2」では、それはそれは楽しく、軽やかなステップで元気に歌い踊っていたコバさんを覚えているだけに、正反対のアーサーの衰弱っぷりがまた見事でした。あんなふうな常に痛みを抱えたイギリス人の老紳士、よくいるんですよ。コバさんの人間的魅力、演技の幅広さも堪能できたし、舞台としても観終わったあとに静かな感動がひたひたと押し寄せる良いお話でした。また、おちゃめなコバさんも観たいし、難しい役のストレートプレイも観たいし、これからも楽しみがいっぱいですね。どうぞ、お体に気をつけて頑張っていただきたいです。

宝泉

2015/4/29

2015年4月29日 / 投稿広場 |
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